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森博嗣『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』(上)

森博嗣「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)」を読みました。もともとの仮タイトルは「抽象思考の庭」だったそうで。タイトル長いです。「愛のままにわがままに 人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」とかいうタイトルを付けて雑誌社の人を困らせるB'zの姿が浮かびました。



筆者はもともと大学の工学部助教授で、仕事のかたわら本格ミステリィ作家としてデビュー、短期間にたくさんの本を書かれて、数年前、51歳の時に研究職と作家業から引退。個人的に研究と、趣味的に執筆活動を続けています。まさにアーリーリタイアの先輩です。このブログの名前を取ったのも、この方の作品「笑わない数学者」です。

最近は、ミステリィと並行して、いわゆる新書的な本も出されるようになりました。高等遊民の備忘録(遊民さん)で紹介されていた、『自由をつくる 自在に生きる』もその1冊です。アーリーリタイアブログとしてはこっちの本の方がしっくりくるのですが、遊民さんが語られているところで十分なので、一つだけ引用したいと思います。

楽しさを求める人生ならば、楽しい方を選べば良い。満足を求める人生ならば、満足できそうな道を進む。人生設計に照らし合わせて判断をすることが一番良いと僕は思う。もちろん、それには、自分の人生について、ある程度の方針がなければならない。難しく考えることはない。方針など、いつ変更しても良い。これもまた、自由なのである。


確かに。
自分で自分を縛る必要はありません。



さて、「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか」(やっぱりタイトル長い)に戻りますと、私が感じたエッセンスは、「抽象思考で、割りきらずもうちょっと考えた方がお得かもしれない」ということ。

(自由に生きたい、ということについて)

しかし、いろいろな現実を経験するうちに、この「楽しい思い」というのは、ある程度の苦労のさきにあるものだということがわかってくる。
(中略)
すなわち抽象すると、「楽しさというのは、苦労を重ねて勝ち取るものだ」というような感じになるだろうか。そのうち、勝ち取れる未来を見越して、その苦労の最中であっても楽しめるようになる。(p.61)


苦労しなくても楽しい思いができれば良いと思います。ただ、リタイアしたらあれをやろう、これをやろうと考えていると、今の仕事も(クビにならない程度に)努力しようと思えてくる。アーリーリタイアに当てはめると、親が裕福(あるいは裕福でなくても、ニートを飼っておくぐらいの余裕がある)で、働かないで好きなことばかりしている人、あるいは3億円の宝くじがあたって働かないことを選んだ大学生と、自分の時間を使ってお金をもらい、貯め、リタイアして好きなことばかりしている人では、自由な時間を持つ楽しみの重みが違ってくるような気はします。単なる僻みかもしれませんが。

もちろん、僕自身も数々のものに囚われていた。簡単に自由にならない。根本的なことだが、生きていくためには、少し嫌なことでも我慢し、仕事をこなして金を稼ぐ必要がある。これは、そういう社会の仕組みに囚われているからにほかならない。
(中略)
何故このようなジレンマに陥ってしまうのか、と突き詰めて考えれば、それは「生きる」ことに囚われているからだ。生きなければならない、と思い込んでいるから、我慢をしなければならない。だったら、死んでしまえば良いのか、というふうに考えが及んでしまう。
 当然ながら、誰もが自殺について考えたことがあるだろう。それをしないで生きているのは何故なのか?(p.131-132)


なんとなく思っていたことが文字に還元された気分です。社会の仕組みに囚われています。生きている限り囚われ続けますが、少しでもそれを減らしたい。
自殺をしないで生きているのは、自殺が痛そうだというのと、まだ生きている方が楽しそうだからです。死んだ後のことは知らないので。

自分の生活を向上させたい、なんとか楽しみを増やしたいという抽象的な気持ちを持っていても、具体的に行動できるような時間がない。そう、「時間」というのは、非常に具体的なものである。長さ、重さ、力などと同じく数字で表現することができ、万人に共通する物差しの一つだ。簡単に長くしたり短くしたりできない。大変に切実な具体的問題、それが時間というものだ。
 そんな限られた時間の中で、自分に押し寄せてくる雑多な不自由を、よく観察してみよう。(中略)ただ単に、「当たり前だから」「みんながしていることだから」「やらないと気が引けるから」「ずっと続けてきたことだから」「断るのもなんだから」という弱い理由しかないものに縛られているのかもしれない。(p.149-150)


歳を取るにつれて、だんだんと「当たり前だから」「みんながしていることだから」「やらないと気がひけることだから」といったようなことからは脱却しつつあります。若いころはファッション誌で勉強して服やガジェットに金を使いモテようモテようと思ってました。ドラマも話題についていくために見ていたし、音楽も流行りのものを追っていました。今やテレビはほとんど見ないですし、カラオケにも行かなくなりました。行ったら楽しいんですけどね。

上に書いたような、一人で完結できるところは、もう人に無理に合わせることはあまりなくなったと思います。「断るのもなんだから」については、なかなか切れません。会社の飲み会も、何の理由もなく断るのはなかなかできないです(理由を付けて断ることはままありますが)。

時間がない、時間がないと言っているものの中にで、上のような「楽しくないけどしてしまっている」ことの割合をなるべく減らしていきたいですね、今まで以上に。

(続く)
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コメント

Re: タイトルなし

高尚じゃないですよ~(汗)
この筆者も、庭いじりをしている中で気づいたことをこの本で書いています。だから、元々のタイトルが「抽象思考の庭」なんです。

このような高尚な話題の中に、書くのはちょっと気が引けるのですが、
シティバンクのお話ありがとうございました。

送金にはシティゴールドよさそうです。
経過をまた書きます。

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人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (下)

昨日の記事の続き、森博嗣「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)」。 過去のどこを振り返っても、今よりも楽しい時期はなかった。今が一番楽しい。
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