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スカル・ブレーカ

「この不確実性の世に、アーリーリタイアが必要か?」友人は首を傾げる。
「いえ、たぶん、必要ではありません。ですから、世にはいらぬものでしょう。世の中ではなく、私に必要なのです」





今年もボーナスが出るようでホッとしている成為です。またリタイアに一歩近づいた、と。

このブログに読書記録を書いている本は、どちらかと言えば「役に立つ」本ばかりですが、私が読む本の8割はミステリです。どちらかと言うと、これまでの人生では役に立たない本ばかり読んできました。これからも役に立たない本をもっと読みたいので、セミリタイアして時間を作りたいと思っています。

が、実践に役に立たない本でも、リタイアに向けた考えを新たにしてくれるような本があります。「人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いか」という新書を紹介しましたが、同じ作者の「役に立たない」本を最近読んだので感想を書きたいと思います。なんか森博嗣ファンブログの様相を呈してきました。

森博嗣「ヴォイド・シェイパ」シリーズ第3作の「スカル・ブレーカ」を読了しました。5作で完結のようです。


このシリーズが素晴らしいのは、まず装幀。装幀が非常に美しい。特にこのスカル・ブレーカは紅葉で真っ赤なのですが、見ただけで心を奪われます。惜しむらくは、同系統のシリーズで押井守監督にアニメ映画化された「スカイ・クロラ」シリーズでは、本自体にバーコードが印刷されていなかったのですが、この本ではバーコードが本自体に印刷されてしまっています。

森博嗣のファンブログ化していると書きましたが、全作品を読んでいるわけではありません。基本的に文庫落ち(これからはKindle落ちか?)を待って読んでいます。「スカイ・クロラ」シリーズと、この「ヴォイド・シェイパ」シリーズだけは、ハードカバーの装幀があまりにもきれいだったので、魔が差してハードカバーを買ってしまっています。

「ヴォイド・シェイパ」シリーズでは、山奥で剣の達人に育てられた青年が、山を降りて他人と交わっていく過程を描いています。江戸時代が背景のようです。この青年、人の集まる社会で生きたことがないせいか、人との関わりで常に「素朴な疑問」を持ちます。常識として流してしまうようなところに着目して、「なぜこうなっているのか?」と自問する(時に他問する)ところが、私にとって一番面白いところです。この「人とかかわること」がこのシリーズの重要なテーマなんじゃないかと思います。

主人公は思慮深く、常に「自分の剣とは何か」を考え続けているのですが、いざ戦うとなるといきなり精神年齢が下がって子供のように夢中になってしまう。「スカイ・クロラ」の主人公とこういうところで重なります。発言に装飾があるかないかが、2人の違うところですかね。

時代小説にはまだ手が出ていないのですが、こういった感じのも面白そうだと思えるようになったので、少しずつ手を広げてみようかと思っています。

何が可笑しいのか理解できなかったが、こういう場合は、同調して少しは楽しそうな顔をした方が良い。たいていの者がそうしているようだ。もしかしたら、笑っている本人も大して面白くないのかもしれないが、笑うと相手が油断するし、敵意がないことをそうして伝えることにもなる。動物は笑わないが、人間は笑う。だから、このように大勢が集まり、互いに助け合い、集団で生活を営むことができるのだろう。(p.10)


同調圧力は日本社会では特に強いものだと、「ノマドと社畜」でも書かれていました。会話していて面白くなくても笑うくらいなら良いのですが…大勢が集まって互いに助けあうために、付き合い残業をしたり、連日同僚と飲みに行ったり、他人の仕事のことを勝手に慮っておせっかいをするところにまでつながる原点がここなのでしょう。

なるほど、街に仕事があるというのは、こういう道理なのか。すなわち、無駄な仕事を作ることができるような金持ちがいる、というわけか。もっともらしい理屈である。では、その金持ちは、なぜ金持ちなのだろう、と考えるに、たぶん、人を大勢使って、大きな商売をした結果なのではないか。そうして集めたお金を、また大勢に分け与えるために、無駄な仕事まで作らねばならない。人が大勢集まっているところでは、そんな無駄も必要になるのか。
 たとえば、料理がそうだ。(中略)口から入れて、腹が満たされれば良いのであって、美味かろうが、少々不味かろうが、食べてしまったあとにはほとんど違いがないのである。美味い料理を食べたあとは躰の調子が良いとか、刀の振りが違うとか、そういうことはまったくない。ただ一瞬、美味いな、と思うだけだ。(中略)あちらこちらに、実は無駄といえる仕事が多々あって、それらに誰かが金を払っている。だからこそ、そういうものを仕事にできる。無駄で回っているのだ。無駄の循環があるから、このように大勢集まっていられるのだろう。(p.13)


リンクしている消費しないピノキオさんや「山小屋を建てる」のからあげさんがおっしゃりそうなことだなと思いながら読みました。資本主義は無駄の循環で動いている。でも、その無駄が楽しい、面白いのだから仕方がない。美味しいものは食べたいし、面白い本は読みたい。そう考えると、ビジネスに携わる者は無駄を大量生産して人類の幸福度を向上させる一助となっていると言えそうです。仕事を続ける気力が少しわいてきますね。ほんの少しですが。

そして何が無駄かといえば、私のブログのような駄ブログほど無駄なものはないのですが、無駄が楽しいのでしょうがないです。主人公のような境地にはたどり着けないです。汚れすぎていて。

己の鍛錬は当然必要なことだが、しかし刀は人を殺す道具だ。己を守る、己が生きるとは、つまり己を倒そうとする相手を斬ることだ。さらに、この解釈を広げれば、己以外の者を守るために、敵と見なされる者を斬ることが正当化される。それは、正義のためという理由で語られるものだ。
(中略)正義とは、本来は各々にあるものであり、腹が空いて生きるために人の畠の作物を食うのは、その者の正義だという。また、戦では、国の正義のために大勢の命を引換えにした。その場合も、どちらの国にも、やはりその国の正義があったのだ。(p.75)


正義はどこまでいっても主観的なものなんですね。自分を正当化するための理屈、人に説明するために言葉を操って出てくるものなんでしょうか。同著者の「黒猫の三角」で、こんな感じのことを言っていましたね。


「この太平の世に、そんな強い剣が必要か?」殿様は首を傾げる。
「いえ、たぶん、必要ではありません。ですから、城の中にはいらぬものでしょう。世の中ではなく、私に必要なのです」(p.90)


「この不確実性の世に、アーリーリタイアが必要か?」友人は首を傾げる。
「いえ、たぶん、必要ではありません。ですから、会社にはいらぬものでしょう。世の中ではなく、私に必要なのです」

今のところ、人間にとって最も大切なことは、この正直さだと自分は考える。それは、ある特定の相手に対する正直さではなく、もっと広く周囲の皆に、また己に対し、そして自分の生き方にも及ぶ正直さだ。
 剣には、その正直さがよく表れる。素直な筋を走る刀は速い。迷いがないからだろう。もし迷うとしたら、それはどこかに不信がある。誤魔化しがある。相手に対してなんらかの誤魔化しをするのは、勝負にはときには必要かもしれないが、そちらを本意と考えてばかりいると、結局は自分が誤魔化されていることと同じになる。(中略)これは、人間とう動物に見られる傾向で、ほとんど誰にでも多かれ少なかれある。(p.101)


自分にまず正直であることが、他に対しても正直であることにつながるのでしょう。早期リタイアを希求する心は正直な心ですが、まだ迷いがあって不信がある。自分が誤魔化されないよう、自分だけは信じられるようになりたいです。


そのうち続きを書くと思います。

[概要]
都へ向かう途中、侍同士の真剣勝負に出くわしたゼン。誤解から城に連行された彼は、思いがけぬ「運命」に直面する。急展開の第三巻。
誰より強くあっても、すべてを知っていても、死ねば消えてしまう。それなのに、何故求めるのか。そう…。立ち向かおう。いつも、命を懸けて、ただ剣を振れば良い。生きているから、恐くなる。しかし、剣を持てば、もはや生きた心地は消える。だから、恐くない。



ハードカバー


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コメント

Re: 考えるヒント

>消費しないピノキオさん

正義は主観的なもので、公正とか公平といったこととは原点が違うところにあるんでしょう。
本の本筋とは関係ないところに面白いものって転がってますね。

考えるヒント

ご無沙汰しておりました。

正義はどこまでいっても主観的なもの
全くおっしゃるとおりです。
争いごとなんて正義と正義のぶつかりあいですよね
法廷で繰り広げられるやりとりなんて
どっちの正義がより正しそうかってディベートでありゲーム
公正かどうかなんて関係なくなっちゃってる

質の高い記事をありがとうございます。
考えるヒントになるような記事に感謝します。

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